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主婦の知恵で生まれた「桜島大根パウダー」が大ヒット! 中島孝子さん

ピリっと辛みの効いた大根おろしは、朝ごはんのお供にぴったり。

でも、大根おろしって結構力が要るんですよね。一人分ならまだしも、家族全員分をおろすとなると「ふうっ…」とため息が出るほど一苦労です。

「大根おろしは毎日でも食べたい。でもおろすのが面倒だからいい方法があればいいのに…」

そんなつぶやきをきっかけにヒット商品を生み出したのが、鹿児島のシンボル・桜島の麓に暮らす中島孝子さん。中島さんは、桜島で栽培された農産物を作って加工品を作り、販売する「さくらじま旬彩館」の代表を務めています。

ヒット商品がどのようにして誕生したのか、そのストーリーを知りたくて、桜島港から歩いて5分足らずの場所にある「さくらじま旬彩館」を訪ねました。

注目集める桜島大根に「今だ!」

さくらじま旬彩館の中島さんが手にしているのは、昨年発売した桜島大根のフリーズドライ商品。右は桜島大根入りの「極みブリ大根雑炊」、そして左が話題の商品「桜島大根パウダー」です。

「桜島大根」といえば、世界一大きな大根としてギネスブックにも登録されている鹿児島を代表する農産物。

しかも昨年1月、桜島大根には血管機能を改善する成分「トリゴネリン」が突出して多いことが鹿児島大学の研究で明らかになり、「継続して食べると動脈硬化の予防につながる可能性がある」と桜島大根に熱い視線が注がれ始めました。

桜島大根の重さは15〜20Kgが一般的。「トリゴネリン」は根っこと葉のどちらにも多く含まれているそう

これまで、桜島大根をお漬け物にしたり、おせんべいに練り込んだりするなどして桜島大根の商品化に取り組んできたものの、なかなかヒット商品を生み出せず、行き詰まっていた中島さん。「これはまたとないチャンス!」と桜島大根の新たな商品化に動き出します。

そんなに機能性が優れているんだったら、毎日食べられる商品ができないかなと思ったんです。その時、ひらめいたのが大根おろし。実は私、大根おろしが大好きなんですが、おろすのが大変なんですよね。以前、大根おろしのフリーズドライを試作したことを思い出し、『そうだ、桜島大根をおろしてフリーズドライにすれば、水を加えるだけだから、皆さんに受け入れてもらえるかも!』と思いました」

丸ごとフリーズドライで
風味も栄養成分もそのまま

というわけで誕生したのが、桜島大根を電動おろし機でおろし、真空凍結乾燥機に一昼夜入れてフリーズドライにした「桜島大根パウダー」300円。1袋5gのパウダーが大根おろしになる瞬間は、音声付きの動画で紹介します。

こうして、機能性に優れた桜島大根を風味も栄養成分もそのままに、さっと味わえる手軽さが人気に火を付け、「桜島大根パウダー」は発売1年で1万個以上売れるヒット商品に! 今では全国各地に桜島大根パウダーのファンが広がっています。

「気に入って1回に50袋注文してくださる方もいるんです。地元の加工業者としては、地元の農産物を商品化するだけではなく、桜島大根を作っている農家さんのために消費拡大につながるような商品を開発していかないと意味がないと思ってやってきたので、うれしいですね」

中島さんの話をうかがって印象的だったのは、地元の農家の方への強い思い。

「農家の皆さんは火山灰土壌の厳しい環境の中で毎日苦労して作っていらっしゃる。だから、その苦労を常に思い描きながら新しい商品を開発しようと思うんです」

その言葉に、地元加工業者としての使命を感じました。

桜島大根は収穫時期が冬の12月〜2月と短いこと、また、桜島大根の消費の低迷などから、桜島大根を作る農家は減少傾向にあります。でも、中島さんのように「生産者と消費者をつなぐ架け橋として消費拡大に貢献したい」と思う女性がいてこそ、生産者のモチベーションアップにつながり、地産地消の輪が広がっていくんですよね。

「桜島大根パウダー」のおかげで、一年中いつでも桜島大根を食べられる環境が整いました。

今後、パン、スイーツなど、いろんな商品にアレンジされていくこと、期待しています。

さくらじま旬彩館  ☎︎099・293・3387
鹿児島市桜島横山町1722-48
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さくらじま旬彩館
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