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ファインダー越しの世界で人生を豊かに! 山崎淳子さん

「映像ディレクター&ライター」として活動を始めて1か月。

鹿児島にはさまざまな分野で女性の感性を生かして活動している方が数多くいらっしゃる中、私が今会いたい人に会うことができ、その時間、その空間で感じた感動を多くの方に伝えられるってなんて幸せなことだろう…。そんな喜びを日々感じています。

「会いたい人、話を聞きたい人が常にいる」
それが私のモチベーション。

だとすれば、鹿児島市でブライダルフラワーやレザークラフトの講師として活動する傍ら、毎日一眼レフのカメラを被写体に向ける山崎淳子さんのモチベーションは、「撮りたいモノ、撮りたい風景が常にある」なのかもしれません。

山崎さんが毎日更新しているFacebookには自ら撮影した写真が続々とアップされ、淳子さんワールド全開。

カメラ越しにしか見られない色鮮やかな風景にはっとさせられることもあれば、野に咲く花に蝶が吸い寄せられる一瞬の世界に心和んだり。独特の感性で切り取られた世界はいつも五感を刺激してくれるんです。
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山崎淳子さんのFacebook

半年前にお会いした時、「カメラを本格的に始めたのはまだ数年のことなのよ」とおっしゃっていた山崎さん。

私も仕事柄カメラを常に持ち歩いていますが、こんなにも感性豊かな写真を撮影するために、どれほどの時間とエネルギーを費やしていらっしゃるんだろう…。

山崎さんのファインダーから見える世界が知りたくなって自宅を訪ねました。

57歳でがんを患い、写真の世界へ

「実は私、6年前の57歳の時、初期の胃がんが見つかり、入院して手術を受けたんです。退院して自宅に戻ってきた時、お花やレザークラフトの講師は体力が要るので、体が動かないんじゃないかなって不安だったんですよね。でも写真だったらテーブルのお花を撮ることだってできるし、体も疲れないかも…。そう思って少しずつ写真を撮るようになりました」

元々、フラワーアレンジメントを教えていた頃から、受講生の作品を一眼レフカメラで撮影し、プレゼントするのが好きだった山崎さん。自宅で大好きな花を撮影するうちに外の世界に目が向き始め、カメラを持って出かける日が増えていきました。

鹿児島県内各地に撮影に出かける中、何よりも元気をもらったのが小さな伝統行事やお祭りだったそう。

「お祭りもそれぞれの地域でいろんな歴史や伝統があって知らないことばかりなんですよね。撮影を通して知らないことを知る喜びがあるし、分からないことは地元の人に話を聞いていくとさらに新しい発見があって楽しいんです」

男性カメラマンなら遠目から狙って撮影することが多いお祭りも、好奇心旺盛な山崎さんは知りたいことを地元の人にどんどん聞きながら撮影していくタイプ。地元の人とあっという間に打ち解けていきます。

「例えば、いちき串木野市の祇園祭は若い人から年配の方までみんなで伝統を守りながら盛り上げていて、すっごく味があるお祭り。大好きで毎年通っています」

山崎淳子さん撮影 いちき串木野市の「祇園祭」

コンテストで最優秀賞!

講師業に加えて現在は94歳の母親と同居し、身の回りの世話などで慌ただしい毎日。

「だから写真を撮れる時間は限られているんです。でも撮りたいという欲求はどんどん湧いてくるので、1時間でも時間ができたらさっと出かけるんです。そんなにバタバタすると疲れるかなと思うんですが、撮影に出かけた方が元気になるんですよね」

3年前からはさまざまな写真コンテストに出品し、度々入賞。

そして今年1月、「鹿児島市景観写真コンテスト」では見事、最優秀賞に輝きました。

鹿児島市景観写真コンテスト最優秀賞  山崎淳子さん撮影 「夕陽に抱かれて」

水族館の近くにある小さな公園から山形屋を撮影した1枚。「ここは鹿児島?」と思うほど、神秘的な世界が広がっています。

「この日は夕陽に照らされた桜島を撮ろうと思ってドルフィンポートに行ったんです。でも桜島が赤くならなくて、もう時間だから帰らなくちゃとパッと振り返ったら、山形屋が赤く色づいていてびっくり。うれしくて急いでシャッターを切りました」

続いて、こちらは同じく今年1月に鹿屋市美術展で特別賞に輝いた作品。朝5時に家を出発し、曽於市の悠久の森で撮影しました。

鹿屋市美術展 鹿屋市西ロータリークラブ賞 山崎淳子さん撮影 「森の光の中で」

「まるでポエムの世界。とても50代から本格的に始められたとは思えないクオリティーですね」と伝えると、「いえいえ、まだまだ。でも失敗してもいいから何でも自分でやってみたくて、撮影にしても写真加工にしてもあれこれ挑戦しているだけなの」と山崎さんはどこまでも謙虚です。

「お花一つとっても以前は華やかなお花に目がいってたんですが、最近は野に咲く花や雑草に感動することが増えました。カメラに出会ったことで知らない世界を知ることができ、人生も豊かになったと思います」

以前だったら「日焼けしたくないから」と外出の際は完全防備だったのに、今では日焼けもなんのその。

「撮りたい写真を撮るためには気にしていられないって感じ。そういう意味では一皮むけて、たくましくなりました」

柔らかな語り口とは対照的に、実は好奇心の赴くまま、突き進んでいく方だったんだ…。

共通点が見つかったことがうれしくて、これから山崎さんがどんな写真を撮っていかれるのか、ますます楽しみになりました。

それにしてもカメラって奥深い。

私もせっかくカメラを持ち歩いているんですから、野の花や美しい風景をもっと写真に収めてみようと思います。

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