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鹿児島から全国に笑顔の輪広がる!「ランドセル スマイルリレー」 

これは息子2人が6年間使ったランドセル。

子どもたちに「ランドセルの思い出って何かある?」と聞いても「別に…」と淡白な反応。

でも、親の私にとっては宝物なんですよね。

どれにしようか、あれこれ迷いながらようやく決めた日に始まり、子どもが最初に背負った日から卒業の日まで、小学校6年間の思い出のそばにはいつもランドセルがあった、といえるほど、思い出が詰まっています。

それだけに卒業して10年近くたつのに、押し入れに眠らせたままになっていました。

ところが、鹿児島でこの春から始まった「ランドセルスマイルリレー」を知り、一大決心。

「少々くたびれているけど、このランドセルを使いたいと思う方に届けてもらえるなら…」と提供することにしたんです。

「日本に住む外国人に届けたい」

「ランドセルスマイルリレー」を始めたのは、鹿児島市で外国人の困りごとに寄り添い、支援を行うNPO法人「若者・留学生サポートステーション 響(ひびき)」。

第2土曜を除く毎週土曜日の10時〜12時、鴨池福祉館で外国人の子どもたちへの学習支援を行っていますが、同じ時間帯でランドセルの受け取りと受け渡しも行っています。

私が持参したランドセルを確認してくれたのは「響」代表の牟田京子さん。リユースが可能な状態か、確認した上で受け取ります。

牟田さんが日本の小学校に通う外国人の子どもの支援としてこのプロジェクトを思い立ったのは今年2月。

鹿児島に住む外国人100人にアンケートを取ったのがきっかけでした。

「回答の中に『子どものランドセルを買いたいけど、高くて買えないのでサポートが欲しい』という声がいくつもあったんです。その一方で『どうせ答えても何も変わらないでしょ』という諦めの声もありました。そこで、一歩ずつでもいいから始めようと思ったんです」

ランドセル提供協力の呼びかけと同時に、全国の大学の留学生会館などにランドセルのリユースの情報を発信したところ、「子どものためにぜひ欲しい」という声が続々。

わずか半年で、日本で暮らす外国人の子どもたちに届けられたランドセルは150個以上に上っています。

「中古のランドセルは可哀想」は
日本人の勝手な思い込み

この「ランドセルスマイルリレー」の第1号となったのが、鹿児島市に暮らして7年になるバングラデシュ人のラーマンさん。

春から小学1年生となる娘のマンハちゃんのランドセルを買いたくても買えない状況に心を痛めていた矢先、「ランドセルをもらうことができて親子で喜びました」と話します。

「私たち外国人は新品でなくてもきれいな状態なら、中古でいいんです。でもそのことをこれまで日本人に伝えることができませんでした。だからランドセルスマイルリレーは本当にありがたいです」

実は、ラーマンさんのように子どもを持つ外国人の気持ちを知った牟田さんは「ランドセルスマイルリレー」の輪を少しでも広げようとさまざまな行政機関に広報を依頼。ところが、なかなかうまくいかなかったそう。

「相談すると『日本人はみんな新しいランドセルなのに、外国人の子どもだけ中古だと可哀想。だから広報の協力はできない』と言われることもありました。外国人の方たちは6年間使ってきれいなものなら使いたいと思っているのに、日本人が勝手に可哀想と思い込むことで、情報がストップしてしまうんです」

その話を聞き、ラーマンさんに聞いてみました。

「日本人が中古のランドセルは可哀想だと思うことに対して、どう思いますか?」

すると、「外国人の私たちは、自分の子どもが中古のランドセルを使って可哀想だとは全く思わない」ときっぱり。

「多くの外国人が中古のランドセルがあれば喜びます。しかも日本のランドセルは丈夫なので6年後、また違う誰かが使うと思えば、もっと大切に使うんじゃないかなと思います」

少数派だからこそ、支援が必要!

「ラーマンさんのように鹿児島で暮らす外国人が何に困り、何を望んでいるのかを知ることがボランティアの第一歩」と話す牟田さんも、プロジェクトに大きな手応えを感じています。

鹿児島は全国的に外国人が少ないこともあって、外国の人たちが声を上げづらく、支援も届きにくいんです。でもだからこそ、まずは私たちがボランティアでできる支援を始めることで道を切り開いていければと思います」

「ランドセルスマイルリレー」ではランドセルを受け取った家庭で写真を撮ってもらい、「響」のインスタグラムやフェイスブックで公開しています。
インスタグラム⇨hibiki.staff
フェイスブック⇨響(Hibiki)

受け取った子どもの笑顔に、提供した人自身も笑顔になれる「ランドセルスマイルリレー」。

ランドセルを通して、鹿児島から笑顔の輪が広がっていきますように!

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