鹿児島市下伊敷にあるシェアキッチン型カフェ「otonari」は曜日ごとに店主が変わるユニークなお店ですが、今年5月、新たに仲間入りしたのはスープ専門店「またね」の浜田朝美さん。
毎週木曜日に出店し、「ボーンブロス」をベースにしたオリジナルスープの販売を始めたと聞いて、早速出かけてきました。
この日はじゃがいものポタージュスープと卵スープの2種で、左のMサイズが450円、右のSサイズは350円。
「ボーンブロス」とは、牛・豚・鶏などの骨を煮込んで作った出汁のこと。
浜田さんは鹿児島県産の黒豚と黒さつま鶏の骨が入ったボーンミックスをことこと煮込んでボーンブロスを作り、スープに使っています。
そして、コーヒー感覚で気軽に飲めるようにカップで提供。
「ボーンブロスでスープを作ると、不思議なほど、味に深みが生まれるんです。じゃがいものポタージュも塩を少し加えるだけで最高においしいスープになるので、まずはボーンブロスのスープを気軽に味わってもらいたくてカップにしました」
海外で大人気のボーンブロス
実は、私が浜田さんに初めて会ったのは昨年10月のこと。お互いスパイスカレーづくりが趣味ということで意気投合し、かごじょプレスでも「スパイスカレー でつながる楽しさ、伝えたい」で紹介しました。
その後も美味しいスパイスカレーを楽しむための活動を続けてきた浜田さん。
例えば、この写真は私も参加した、スパイスカレーを作って楽しむカレー女子会の様子なんですが…
こうした活動の中で、鹿児島県産の黒豚と黒さつま鶏のボーンブロスが簡単に作れる「ボーンミックス」を製造販売しているAKR Food Companyの松元さん(写真左)に出会い、ボーンブロスの魅力にはまっていったのだそう。
「私はスパイスカレーを作る中でボーンブロスのことを知ったんですが、ボーンブロスって骨から溶け出たアミノ酸やコラーゲンが健康や美容にいいということで、アメリカのニューヨークではコーヒースタンドに立ち寄る感覚でボーンブロスのスープ専門店が人気なんです。そんなことを知るうち、鹿児島にもそんなお店があったらなあ…という思いが膨らんで『ないんだったら自分で作ろう!』と動き出したんです」
スモールステップで夢を叶える
「思い立ったが吉日」と、ボーンブロスのスープ専門店の構想から1か月あまりでオープンにこぎ着けたというんですから、そのスピード感はさすが!
でも、そんな浜田さんも「週1で出店できるスタイルだからこそ、始められた」と話します。
「ボーンブロスのスープが鹿児島の人たちに受け入れられるかどうかは分からないので、週1というペースでいろいろ試しながらやれるるっていいですよね。リスクが少なく、スモールステップで挑戦できるところが気に入ってます」
ちなみに、週1日出店する場合の月額利用料は2万円。
こうしたチャレンジショップの仕組みを作った「otonari」の店主・坂口喜代美さんも、時々店の様子をうかがいながら絶妙の距離感でサポートしています。
「坂口さんや既に週1で始めている先輩たちが『開店の時はこういうものを準備していた方がいいよ』と教えてくれたのですごく助かりました。何よりもotonariのファンの方たちが応援してくださるのもありがたいです」と浜田さんが話せば、「若い方が仲間に入ってくれると新しいアイデアがもらえるから、私もすごく嬉しいの」と坂口さん(写真右)も笑顔。
新しいことに挑戦したい人を応援するチャレンジショップとして、毎日さまざまな表情を見せる「otonari」。
ボーンブロスのスープ専門店も加わって、ますます賑やかになりそうです。