前回に続き、鹿児島県さつま町に暮らす久德スミ子さんのライフストーリーです。
前回のストーリーはこちらをチェック!
→ご当地ドレッシングで80代も生き生き現役
農産加工が活発なさつま町で始まった、ドレッシングづくりプロジェクト。75歳で手を挙げた久德スミ子さんもドレッシングづくりのノウハウを学んだ後、統一パッケージでの商品化が始まりました。
ドレッシングづくりはそれまでの経験を生かして難なくクリア。
ところが、商品化のためにラベルの作成、印刷などのパソコン作業なども自分でやらなくてはなりません。
「それまでパソコンをやったことなんてなかったけど、何でもやってみようと思ってパソコン教室に通ってエクセルやワードを習ったの。もちろん、習っただけでは分からないから、そんなときは詳しい人に聞きに行って教えてもらったのよ」
スミ子さんがすごいのは、自分ができないことを「歳だから」と諦めたり、そのままにしないところ。
町役場や農協の窓口に出かけた際、詳しい職員の人を見つけては教えてもらい、「分からない」を「分かる」「できる」に変えていったのです。
「やるかやらないかは自分次第」
パソコンを習得し、ドレッシングづくりを軌道に乗せると、今度は80歳を前にスマホを購入。フェイスブックにも挑戦します。
これまた、いろんな人に教えてもらううちにできることが増え、写真も自分で撮ってコンスタントに投稿。開設して3年で友達は500人を超えました。
「私は『やるかやらないかは自分次第』って言葉が好きなの。やりたいなと思っても、やらなければ終わりでしょ。もしやって失敗したとしても何かを得ることができるし、やるうちにいろんな人と出会えて道が開けていくのよ」
「やるかやらないかは自分次第」と気負うことなく話すスミ子さん。
興味を持ったらまずやってみる。そして自分でできないことは自ら出かけて教えてもらい、マスターしていく。すると、周りにスミ子さんファンが増え、その人たちがさらにいろんなことを教えてくれて世界が広がるー。
まさにハッピーサイクルです。
実は私、スミ子さんに会うまで「80歳まで現役を目指したい」と思っていました。
でも、それって80歳になったらもう老後、と思っていたわけです。
ついつい一般的な年齢の持つ響きから「80歳以上はもうフルに動くことは難しいはず」と考えていたんですよね。
スミ子さんが70代から新しい道に進み、82歳の今なお工房で自分の商品を生み出す姿を見て、健康寿命を延ばすためにも「老後」の概念を年齢で区切って考えないことが大切、と気づきました。
人生100年時代、「老後」という言葉自体が不要なのかもしれません。
ちなみに、「さつま町のマドンナたちが心を込めて作りました」がキャッチコピーの、スミ子さんお手製ドレッシングは、さつま町なら宮之城ちくりん館。鹿児島市内ならおいどん市場与次郎館などで購入できます。
ぜひ一度お試しあれ!
薩摩郡さつま町白男川1051