スパイスカレーでつながる楽しさ、伝えたい。浜田朝美さん

週末のたびにスパイスカレーを作り始めて早1年、そろそろカレー好きな人たちとつながりたいなと思い始めた矢先のこと。

「私もスパイスカレー、大好きなんです!」と連絡をくれたのが、鹿児島市に住む浜田朝美(ともみ)さん。中1・小4・小2と3人の子育て真っ最中です。

スパイスカレーにはまったのは昨年12月。

スパイスカレー専門店で食べたカレーのおいしさに衝撃を受け、「面白い!自分でも作ってみたい」とすぐに作り始めたと聞いて、きっかけが私と全く同じ…と驚きました。

「元々凝り性で、これまで燻製のベーコン、だし巻き卵、パン、キッシュと一つの料理にはまると延々と作り、ある程度満足のいくものが作れたらブームが終わる、その繰り返しでした。でもスパイスカレーだけは飽きずに作り続けているんです」

作り始めた当初、朝美さんにとってスパイスカレーは『沼』のように思えたそう

「最初、全然うまく作れなかったんです。どうしておいしく作れないんだろう?と次々に疑問が湧いてきて、深みにはまっては疑問を解消していく感じ。しかもおいしいカレーができたからって次の日に同じ味を再現できるとは限らないんですよね」

スパイスカレーの基本となる「あめ色玉ねぎ」を完成させるために、延々1か月玉ねぎを炒め続けるほどの凝り性。

そんな朝美さんのはまり具合が垣間見えるのがインスタで、自作のカレーやお店のカレーがずらりと並んでいます。⇨tomomi.co

「軒先カレー」で発見続々!

ところが、自宅でひたすらカレーの味を追求していた生活に変化が起きます。

カレー好きな人が集まるイベントで「自作のカレーを振る舞ってほしい」と打診されたのです。

はじめのうちは参加を渋っていた朝美さん。

「だって味は家庭レベルだし、発展途上のカレーを振る舞うのは嫌だったんです。でもカレーは人によって好みが違うし、自分のカレーがイマイチでも他の人のカレーがおいしければ満足してもらえるのかも…と思い、『3種盛りなら』と参加を決めました」

写真:青木健太朗さん

こうして今年6月に開催されたのが、スパイスカレーイベント「軒先カレー」。

スパイスカレーが大好きな3人が思い思いに作ったカレーをワンプレートに盛って味わうスタイルにしたところ、これが大好評!

「自分の家でカレーを作っても当たり前。でも違う場所で振る舞うとこんなに喜んでもらえるんだ、と発見がありました。しかもカレーを通していろんな人とつながれたことがすごく楽しかったんです」

カレーで人と人をつなぐ

「軒先カレー」のイベントをきっかけに、7月に立ち上がったのがカレーコミュニティ「Spice Fab」。30人ほどが参加する中、朝美さんは中心メンバーの一人として関わっています。

実験的に面白い具材のカレーを作ってシェアしたり、施設に出張してカレーを作ってみたり。

草の根の活動はまだ始まったばかりですが、「カレーを通して人と人とがつながり、一緒に食卓を囲めることがすごく楽しい!」と朝美さんは目を輝かせます。

「そこまでカレーについて熱く語るんだったらお店を出せばいいのに、と言われるんですが、私の場合、カレーを売りたいんじゃなくて、自分の周りの大好きな人たちが喜んでくれることが原動力。この形が気に入ってます」

探究心の赴くままに行動を起こす朝美さんの話に刺激を受け、「内村さんの作ったカレーもぜひ食べてみたいです」と言われるうちに、いつのまにやら自分の作ったカレーをイベントで振る舞っている姿が目に浮かんできました。

これぞ、朝美さんマジック⁉︎

会った人がどんどんスパイスカレー好きになっていくというのも、なるほどうなずけました。

カレーコミュニティ「Spice Fab」
公式LINE
SpiceFab

さて、シリーズ「スパイスカレー物語」。次回は朝美さんが昨年食べて衝撃を受けたという噂のスパイスカレー専門店に出かけます。

果たしてそのお店とは?