鹿児島市内の自宅で料理教室を開いている、料理ライフアドバイザーの池田めぐみさん。
前回の記事 vol.1では、大人数の料理教室を1対1の個人レッスンに切り替えたところまでを紹介しましたが、グループレッスンが主流の料理教室の中で、個人レッスンは順調だったのでしょうか?
「私も最初は需要があるのか不安だったんですが、6回コース4万5000円という形で始めたら、料理に自信がないからマンツーマンで教えてほしいという人が多くて、予約がどんどん入ったんです」
「しかも一人ひとりに作りたい料理の希望を聞いてレシピを考え、レシピの分量も家族の人数に合わせて準備するオーダーメイド感覚も良かったようで、最高35人にまで増えました」
ところが、あまりの人気でレッスンを受けたい人が予約を思うように入れられない状態になったことから、レッスン料を見直すことで続けられる道を模索。
そして数年にわたり、一人ひとりの料理の悩みを聞いていくうち、池田さんはあることに気づきました。
「生徒の方と話していると『料理で家族を満足させられない』『献立のレパートリーが少ない』とか、いろんな料理の悩みが出てくるんですが、いつのまにか人生相談になるんです」
つまり、料理の悩みと人生の悩みはつながっているということ?
「というか、人生の悩みの表面にあるのが料理なんです。多くの人が料理を習えば、料理の悩みは解決すると思って『どうすれば早く美味しい料理ができますか?』と料理教室に来るんですが、料理を1品作った時に『1品しか作れなかった』と思うか、『1品も作れた』と思うかで心のストレスは全然違いますよね」
「だから、料理のレパートリーが増えて料理上手になったとしても、その人の心の根っこにある問題を解決しなければ、料理のストレスはなくならない、と気づいたんです」
カウンセリング中心の料理教室へ
一人ひとりの心の悩みと向き合った上で気楽に料理できる方法を提案し、料理だけでなく人生も楽しめるようになるレッスンをしたいー。
そんな思いから池田さんは昨年、それまで調理実習がメインだった6回のレッスンを、最初の2回は料理を作らずカウンセリングのみ、残り4回は調理実習とカウンセリングに変更。
しかも調理実習では煮物・照り焼き・酢の物・汁物など、料理の基礎に徹して難しい料理は一切作らないスタイルに方向転換。レッスン料は6回で15万円に設定しました。
「難しい料理を作らなくていい、品数も多くなくていい、とカウンセリングで知ってもらうことで、その人の料理が変わるのではなく、その人自身の考え方が変わるようになりました。料理実習の時間を減らすのは勇気の要ることだったんですが、こんな料理教室があってもいいんじゃないかなと思っています」
料理はもっとシンプルでいい
常に新たな料理教室の道を模索している池田さんに、すぐに取り組める「料理ストレスを減らすコツ」を聞いてみました。
すると「まずは調味料の種類を減らすこと」と池田さん。実際、使っている調味料をテーブルに並べてもらうと、料理教室の講師とは思えないほどシンプル!
「調味料が多ければ多いほど、いろんな味付けを楽しめますが、煮物もきんぴらも照り焼きも、調味料はしょうゆとみりんだけで十分。煮物の具材もあれこれ種類を増やそうとすると切るのが大変ですよね。だから調味料も材料も少なくていいんです」
そしてお惣菜を買った時のアドバイスも明快。
ホームページを見ると、もっと肩の力を抜いて料理をしていいんだ、と元気をもらえます。
ぜひチェックしてみて!
HP https://kotokoto-lesson.com