苦手なコトが趣味になるなんて…。

並べたシューズは、ここ数年履いてきたランニングシューズ。毎年1足は新しいシューズを買っているので、6年間の相棒たちです。

並べてみると、思っていた以上にカラフル! ラインの入り具合も一足一足それぞれに味があるので、眺めているだけでテンションが上がるんですよね。

中でも、9カ月前から相棒のNIKE「ズームフライ」は昨今話題の厚底シューズ。最初は前足着地の走り方がうまくできず、四苦八苦したけれど、慣れてきた今では、走っている時の爽快感が楽しくて「今まで買ったシューズの中で一番高かったけど大満足!」な一足になっています。

でも、ランニングシューズを眺めるだけでテンションが上がるなんて、15年前の私なら思いもしなかったこと。

だって学生時代、きついだけでちっとも楽しくない「持久走」は大嫌いだったから。
そして大人になってからも、父親がマラソン大会に出るというので一度だけ応援に行ったことがあるんですが、「何が楽しくて42kmも走るんだろう?」と不思議でならなかったから。

それだけに、「趣味はランニング(マラソン)です」と言うと「どうしてそんなにきついことを趣味にするの?」と多くの人が怪訝な顔をする気持ち、よく分かります。

確かに「ランニングはすっごく楽しい」とは言えないし、「走る日が待ち遠しくてたまらない」わけでもありません。

でも15年前のある日、「何気ない5分間」がランニングとつながるきっかけになったんです。

自転車を楽しむ息子二人を
追いかけてみたら…

この写真は子どもたちが幼い頃の日常風景。二人とも自転車が大好きだったので、車の荷台に自転車を載せては公園や原っぱに出かけていました。

そして、自転車を30分くらい楽しんだ後、キャッチボールやサッカーをするのがルーティン。すると最初の30分間、私は何にもすることがないわけです。

そんな時、じっとしていればいいんですが、元々、じっとするのが苦手なタイプ。

ある日、何を思ったのか、子どもたちが自転車で走っている後を追っかけてみようと後ろを走り始めました。すると…。

5分走れたんです。

「あれっ、私、持久走が大嫌いだったのに、5分も走れた!」とびっくり。

そして次の週末、今度は10分走れました。

そんな調子で、子どもたちの自転車の後を追っかけて走るうちに、数カ月たった頃、20分走れるようになっていました。

「長時間走ることなんて大嫌い。しかもそもそも走れないし…」とずっと思っていたのに、20分も走れた。「すっごく疲れるけど、何だかうれしい」。この感覚はすごく新鮮でした。

子どもの頃って、それまでできなかったことができた時の「やったあ!」という感覚、よく味わえますよね。でも大人になると、できないことに挑戦すること自体がないので、「できた!」という感覚を味わう機会はほとんどんありません。

だからでしょうか。疲労感はあるのに「走れた!」という満足感の方が優って、少しずつ走る日が増えていきました。

案外、嫌いなこと、苦手だと思っていたことの方が、元々のレベルも期待値も低い分、続けられるのかもしれません。

もちろん、20分走れるようになっただけでマラソンを目指し始めてしまうのもおかしな話なんですが、その話はまた今度。

今週は暑さも増し、マスクをしているだけで暑苦しい毎日になりそうですが、ランニングシューズのカラーのように気分だけは上げていきたいですね。

今週も素敵な毎日になりますように!