喜び勇んで買ったランニングシューズがお蔵入り!?

秋とは思えないほど強い日差しが照りつける中、出かけたのは「マリンポートかごしま」。桜島と錦江湾が目の前に広がり、1周1kmのランニングコースもある絶好のランニングスポットです。

私も自宅から約2kmと近いので、週に1回は出かける定番スポットなんですが、先日、桜島をキャンパスに見立てて撮影したのは、7月に買ったランニングシューズ。

12月に2年ぶりに開催される青島太平洋マラソンにエントリーでき、「やったあ!久々のマラソン大会だから新しいシューズで練習を始めなきゃ!」と欲張って2足も購入したのでした。

この数年、NIKEの厚底シューズがランニングシューズ市場を席巻していますが、右は厚底にカーボンファイバープレートが入り、スピード走やマラソン大会の勝負靴にぴったりの「ズームフライ3」。

左は同じ厚底シリーズの「ズームペガサス38」。こちらは厚底といってもカーボンファイバープレートが入っていない分、クッション性が高く、ゆっくりめのジョグに使えるシューズです。

ところが、買った途端、腰や足のあちこちが痛むようになり、まともに走れない事態に!

いつも行く整骨院で診てもらうと「いわゆる坐骨神経痛ですね。でも普通50代になるとこのくらいの痛みがあるのは普通だから、ぼちぼち付き合っていけば大丈夫」とのんびりムード。

「じゃあ、大丈夫なんだ」と思えばいいんでしょうが、今まで足や腰が痛むことなどほとんどなかった私にとっては大ピンチです。

朝起きて腰周りが痛むことなんてなかったのに…。
普段の生活で足が重いこともなかったのに…。
走り出すだけで腰や足に衝撃を感じることなんて、もっとなかったのに…。

夏以降「のに」「のに」と愚痴る日が増えました。

できない自分を受け入れてみたら…

走れることが自分らしさの一つ。

そう思い込み、マラソン練習は決して楽しいことばかりでないのに、走ることで自分らしさを保ってきたからなんだと思います。走れない自分に気持ちはふさぐばかり。

でも走れない生活が1か月、2か月と続いていくと、さすがにそんな自分をどうにかこうにか受け入れていこうという気持ちも芽生えてきました。

走れないなら、歩けばいいや。

走れば5kmを30分で行けたところも、歩くと1時間はかかります。

でも「走れないから仕方なく歩く」ではなく、「歩くぞ」と思って歩けば、見える世界がほんの少し違うことに気づき始めました。

走っている時は通りすがりのマンションの花壇や一軒家の庭先に目がいくことなどなかったのに、歩くスピードなら植えられた花々を眺めて「へ〜、こんな植物で花壇が映えるんだ。今度自分のとこでもやってみよっ!」と思えたり。

走ると思考がまとまると思っていたけど、歩く方が体への負荷が少ない分、もっといろんなアイデアが浮かぶんだと気づいたり。

いろんな気づきを感じながら、歩くことも案外いいかも…と最近ようやく思えるようになりました。

結局、12月のマラソン大会は出場を見送ることにし、ライトグリーンの色が気に入って購入した勝負シューズは当分の間お蔵入り。

想定外のことばかりが続く数か月でしたが、できない自分を素直に受け入れられるようになったことで、毎日が随分楽になりました。

できない時は焦らずのんびり進めばいい。

「今週はいつ走る時間を作ろう?」と焦ることもなく、ちょっと時間を見つけたら普段着で歩き出せることで、自分の体と向き合う心の余裕が生まれている気がします。

うまくいかない時こそ、見える世界があるー。
そんなことを思う2021年秋です。