「5日連続、鍋でOK」って本当 !?  池田めぐみさん vol.1

最近、新しい分野で仕事をする機会が増えたこともあって、これまで交流のなかった人たちとのやりとりが新鮮です。

先日は、ある女性の方にこう聞かれました。
「内村さんって家でご飯を作るんですか?」

即座に「もちろん、作ってますって。今日だって仕事が終わったらスーパーに行って夜ご飯の食材を買って帰るんですよ」と言ったものの、気になって「どうしてそう思ったんですか?」と聞いてみたんです。

すると「だって生活感がないんだもん!」

そのやりとりを隣で聞いていた女性も「私もそう思ってた。スーパーじゃなくってネイルサロンに行きそうな感じ」と相槌。二人にそう言われて大笑いしたんですが、「生活感がないってどういうこと?」と考えました。

もしかして「料理嫌い」が滲み出ているとか?

実は、美味しいものを食べることは大好きだけど、「料理をすることが好き?」と聞かれたら「嫌い、というか苦手」と答える私。

自分が食べたいものを食べられて家族に食べてもらえる喜びはあるけれど、レパートリーが少なくて自分好みの料理の繰り返しだし…。

そんなことを思っていた矢先、自宅で料理教室をやっている池田めぐみさんのフェイスブックの投稿に目がくぎ付けになりました。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1569510773239068&id=100005404814507

なんと5日連続で鍋!

みそちゃんこ→水炊き(2日間連続)→大根おろし水炊き(2日間連続)と続いています。

きっとわが家で同じことをしたら「また鍋?」とブーイングがおきそうですが、料理講師の池田さんだからOKなのかなあ…。

そこで「5日連続鍋」の真意を知りたくなって池田さんの家を訪ねました。

「毎日同じ献立でもいいんです」

池田めぐみさんの肩書きは料理ライフアドバイザー。鹿児島市の自宅で、家族のために頑張っているのに自分の料理に満足できない人のための料理教室を行っています。

「うちは夫と小学5年生の娘の3人家族なんですが、週5日鍋が続いても全然OKなんです。ありがたいことに、ポン酢と柚子ごしょうがあれば美味しく食べられる家族なんですよね」

なんとも爽やかな笑顔でそう話す池田さんですが、以前から鍋料理を続けていたわけではないんだそう。

「自分は料理のプロなんだし、鍋が続くと家族に悪いなあ…と私が勝手に思っていて、去年までは鍋を5日も続けるなんてできませんでした。でもこの1年で私自身考えが変わり、料理の講師だからって頑張り過ぎなくていいと思えるようになったんです。そのおかげで、自信を持って5日連続、鍋にできるようになったというわけです」

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1596137200576425&id=100005404814507

しかも、鍋料理の毎日をフェイスブックやブログであっけらかんと発信できるようになったのも最近のこと。

「それまでは『私、ちゃんと料理をしてま〜す』といった発信をしていたんです。でもある方に言われました。『人は、なんでも完璧にできそうな人より、自分のダメなところをさらけ出している人に魅力を感じるの。あなたは自分のできないところを見られたら怖いという気持ちがあるだろうけど、ダメな部分を出した方が魅力が伝わるのよ』って。それ以来、ズボラな自分を堂々と発信できるようになったんです」

その話に、分かる、分かる!と納得でした。

私も池田さんと同じで、自分の弱みを見せることが苦手。でも、できないことを無理して頑張るより、できないことはできないと素直に言える方が楽なんですよね。

そして何より、料理が苦手な私が池田さんのフェイスブックを見て「久しぶりに池田さんに会って話を聞きたいな」と思ったように、人は完璧ではない一面に親近感を持ち、心惹かれるんだと思います。

料理教室でのモヤモヤが転機に!

さて、短大で栄養学を学び、栄養士として保育園で働いていた池田さんが、結婚出産後、料理教室を始めたのは10年前のこと。

子どもが生後8か月の頃、友達の料理教室を手伝ううち、自らも講師となって料理を教えるようになりました。

料理教室で教え始めた頃の池田さん(写真中央)

「マクロビオティックの料理を中心に月1回、参加費は1人1,000円で子育てサークルのような感じでした。みんな子連れなので、わいわい楽しかったですね」

その後、参加費を3,000円に上げ、少しずつ本格的な料理教室を目指す中、池田さんは次第に大勢の人に教えることに迷いを感じ始めます。

「参加者が10人いたら家族構成も違うし、料理のスキルや知識もさまざま。当然、料理教室に求めているものが違うんですよね。そんな中で私は誰目線で伝えればいいんだろう…とモヤモヤし始めたんです」

そんなモヤモヤを曖昧にしないのが池田さんのいいところ。大勢の人を対象にした料理教室ではなく、1対1の個人レッスンに方向転換したのです。

果たして、個人レッスンは順調に展開できたのでしょうか?
そのあたりは次回お伝えします。