母の日が近づくと「今年のお花」をあれこれ考え始めます。去年は紫陽花でしっとりめにしたから、今年は元気なお花にしようかな、とか。
そんなことを考えているうち、ふと会いたくなったのが、プリザーブドフラワー教室の講師としてサロンを構える小辻 美津代さん。
実は彼女、中学校時代の同級生なんです。
3年前、卒業後初めての同窓会で再会したんですが、ロングヘアの巻き髪がすっごくおしゃれで、華やかな雰囲気が印象的でした。
普段、巻き髪などしたことのない私にとって、巻き髪スタイルは憧れそのもの。
気になって「どんなお仕事をしてるの?」と聞くと「プリザーブドフラワーの教室をやってるの」とのこと。「なるほど!だから優雅なオーラが醸し出せるんだね」と納得したのでした。
花って眺めているだけで元気をもらえて幸せな気分になれますよね。
それだけに花と向き合える仕事にも憧れるんですが、そもそも、どんなきっかけでプリザーブドフラワーの教室を始めようと思ったんだろう。仕事の醍醐味はどんなところなんだろう…。
そんなことを聞きたくなって、薩摩川内市樋脇町にあるサロンを訪ねました。
サロンに一歩入ると 別世界!
鹿児島市から車を走らせること1時間あまり。市比野温泉街のすぐ近くにあるサロンはシックな黒の外観。
ところが、中に入ると「うわあ、真っ白!」と声に出したくなるほど、純白の世界が広がっています。
「大工さんから『全部真っ白でいいんですか』って何度も言われたけど、特別な空間でお花を楽しんでもらいたくて、白にこだわったの」
そう話す美津代さんは5年前、このサロンを開設。プリザーブドフラワーとアーティフィシャルフラワーのレッスンを行っています。
「プリザーブドフラワー」とは、生花に特殊な加工を施すことで、生花のみずみずしい風合いを保ちながら、鮮やかな花色を長期間楽しめる加工花のこと。1990年代にヨーロッパで開発された新しい加工法で、英語で「保存する」という意味の「preserve(プリザーブ)」が語源になっています。
一方、「アーティフィシャルフラワー」とは生花をリアルに再現した超高品質な造花のこと。どちらも生花では表現できない高い芸術性に加え、保存性・耐久性に優れていることから、近年、人気を集めています。
結婚出産後、二人の子育てに全力を注いできた美津代さん。プリザーブドフラワーに出会ったのは10年前のことだったそう。
「娘の友達のお母さんがプリザーブドフラワーのアレンジメントを趣味でやってて、教えてもらったのがきっかけ。私も最初は趣味のつもりだったんだけど、すっごく楽しかったので資格まで取ってみようと思って。そうして作品を作るうち、オーダーをいただいたり、習いたいという人が増えていって、気がついたらサロンまで作っちゃったって感じなのよね」
生花ではなく、プリザーブドフラワーのアレンジにこだわったのは、習いたい人が習いたい時にレッスンを受けられるから。
「生花の場合、仕入れの関係でレッスンの日を事前に決めて、その日に来てもらわなきゃいけないけど、プリザーブドだったら、前もってお花を準備しておけるから、生徒さんの都合で来たい日を選べるでしょ」
しかも、習う人自身が使いたい花を自由に選べるのも美津代さん流です。
「普通『用意されたお花でアレンジしてください』というレッスンが一般的だけど、お花の時間を楽しみたくてわざわざここまで習いにきてくれるんだから、自分が使いたいお花を自由に使えた方が楽しいでしょ」
なんとも気前のいい対応!
こうした飾らない人柄とサロンの特別感が相まってサロンの人気はじわりじわりと広がり、今では鹿児島市や南薩エリア、遠くは熊本県からもレッスンに通う人がいるんだそう。
「出来上がった時のみんなの顔がすごく嬉しそうで、その笑顔を見られるのがレッスンの醍醐味。しかも自分で作るとお花に特別な愛着が生まれるみたいで、母の日のプレゼント用に作りに来ても『あげるのがもったいなくなっちゃった』と自分用にする人が結構いるの」
花のプレゼントは作るに限る⁉︎
その話に「へえ、そんな人もいるんだ」と笑ったんですが、実は私、母の日のプレゼントとして美津代さんにフラワーアレンジを作ってもらおうと考えていたんです。
でも「お花のプレゼントって自分で作った方が楽しいんだよ。体験レッスン、やってみる?」の一言で、プリザーブドフラワーのアレンジに初挑戦することにしました。
いざ、体験レッスン、スタート!
まずは母の好きな色をイメージして花の色を選び、ワイヤーの巻き方を教えてもらいながら一本ずつ土台のサハラに挿していきます。
プリザーブドフラワーが美しいので、挿すだけで8㎝角の花器がそれらしい装いになり…。
1時間足らずで完成したのが、こちら。
美津代さんの見事なサポートのおかげで、「花もリボンの色も全部自分で選んで作ったの!」と胸を張って言いたくなる作品ができました。
もう嬉しくって、この笑顔!
実際に作ってみて、あげたくなくなってしまう気持ち、分かる気がしました。プリザーブドフラワーの美しい佇まいが愛おしくって、ずっと近くで眺めたくなるんですね。
ちなみに、約1時間半の体験レッスンは材料費込み、コーヒー・スイーツ付きで3,300円。
世界で一つの作品を透明ボックスに入れてラッピングしてもらった上、最後はコーヒーとスイーツも楽しめるんなんて大満足。高価で手が届かないと思っていたプリザードフラワーを気軽に楽しめることも嬉しくって、帰る頃には次は自分用を…と早くも妄想が広がりました。
実際にサロンまで足を運べなくても、美津代さんの手がけた作品や生徒の方たちの作品がアップされたインスタは要チェック。
美しくてアートな花たちに心癒されますよ!