2023年は「お芋」に想いを込めた一年に。

いよいよ2023年が開幕。

今年も鹿児島では初日の出を拝むことができましたが、皆さんのお住まいの地域はどうだったでしょうか。

2022年を振り返ると、平和な暮らしが当たり前ではなく、特別なものであることを痛感させられた一年でした。

2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻。10か月たった今なお侵攻は終わる気配すらなく、ウクライナの人々は苦しい生活を強いられています。

世界中のどれだけ多くの人々が願っても簡単にはかなわないと思い知らされた終息への道。

それでも祈るしかありません。一日も早く無謀な侵略が終焉の日を迎え、ウクライナの方々が笑顔で暮らせる日が来ることを願っています。

2022年を漢字一文字で表すなら…

平和への祈りを続ける中、2022年は私にとって挑戦の年でもありました。

2022年を漢字で表すなら、やはり「芋」です。

ただただ焼き芋が好きで、家で焼き芋を作っては楽しむ暮らしの中で、全国各地で巻き起こった焼き芋ブーム。

ブームが続く中、「サツマイモ生産量日本一の鹿児島に暮らしていながら、焼き芋好きの人間が何もしなくていいの?」と勝手にジレンマを感じていた私は、昨年1月、週末限定の軒先焼き芋店を始めました。

飲食店経験ゼロ。接客業の経験もゼロ。

全くのゼロスタートでしたが、一年間数えきれないほどのご縁をいただき、焼き芋職人としてはまだまだひよっこながらも「週末は焼き芋専門店をやっています」と堂々と言えるほどになりました。

人間、想いがあればやってできないことはないー。身を持って体感した一年でした。

でも、一つ気づいたことがあります。

一年前は「周りの方に元気と笑顔のお裾分けをしたい」と意気込んでいた私でしたが、振り返ると、元気と笑顔のお裾分けをいただいたのは私の方でした。

「焼き芋、甘くて美味しかった!」「大切な人に持っていったら、すごく喜ばれたよ」
そんな一つひとつのお声とともに交わしたおしゃべりを通して、私の心がどれほど元気を取り戻せたことか。

こだわりのサツマイモを作り続けていたサツマイモ農家・東峯さんと出会えたことで、焼き芋に適したサツマイモを作ることがどれほど大変なことか、知ることもできました。

そして私にはもう一人、感謝してもしきれない大切な仲間がいます。

麻里子さんに感謝を込めて

焼き芋マルシェホップの店舗ロゴからインスタアイコン、シールデザインまで全てのデザインを担当してくれた、イラストレーターの岩﨑麻里子さんです。

私の思い描く焼き芋と店舗イメージを見事に具現化し、豊かな表現力で唯一無二のデザインを作り上げてくれました。

おかげでそのデザインはタペストリーとしてキッチンカーを彩り…

焼き芋プリンをはじめとする商品シールにもなり、商品の魅力を引き立たせてくれています。
商品が増えるごとに商品シールが増え、そのどれもが「おしゃれでかわいい」とお客様に好評なのですが、そうした嬉しいニュースを麻里子さんに伝えることはできません。
昨年10月、麻里子さんはくも膜下出血を発症し、緊急入院。入院してわずか5日後、39歳という若さで天国に旅立ったのです。
いつ会っても笑顔で、軽快なトークで周りの誰もを元気にしてくれる、太陽のような存在でした。
一回り以上年下なのに、親友のような存在だった麻里子さん。
彼女の笑顔をもう二度と見ることができないんだ…と思えば思うほど寂しさが募り、焼き芋マルシェホップのデザイン部門のリーダーとしてお願いしたいことがまだいっぱいあったのに…と思えば思うほど、喪失感は深まりました。
でも「賑やかなことが人一倍好きだった麻里子さんが望んでいるのはどんなこと?」と思うことで少しずつ気持ちは上向きに。
最近ではお店の営業開始の際、麻里子さんが描いてくれた店舗看板に向かって「麻里子さん、今日も元気に頑張るからね!」と声をかけてオープンするようにしています。
大切な人との永遠の別れは何度経験してもつらいもの。しかもご家族はもっとつらい。
それでも、麻里子さんのご両親は麻里子さんの生きた証と思い出をとても大切にされながら、前を向いて歩み始めていらっしゃいます。
そんな姿に私自身も随分勇気づけられ、「一口頬張るだけで笑顔になれる焼き芋」を合言葉に素敵なデザインを残してくれた麻里子さんの想いを心に刻みながら、2023年を歩んでいこうと思っています。
今年一年、想いのこもった焼き芋を多くの方にお渡しできますようにー。