1月23日に週末限定の軒先焼き芋店「かまどやきいもホップ」をオープンして2か月あまり。
想像していた以上に鹿児島でも焼き芋好きの人が多く、「今週はどなたにお会いできるかな?」と考えるだけで心わくわく。
しかも「せっかくだから焼き芋、ここで食べていいですか?」と言ってくださるとうれしさ倍増。ほっかほかのお芋を頬張るぽっかぽかの笑顔に癒やされっぱなしの毎日でした。
ただ、大きな誤算はオープンからわずか2か月で、今季の営業が終了となったこと。
懇意にしている地元の農家さんのサツマイモの在庫が3月中旬で底を突いてしまったのです。
サツマイモ生産量日本一の鹿児島県。その中心を占めているのは芋焼酎の原料となる黄金千貫ですが、その一方で青果用の紅はるかやシルクスイートを丁寧に栽培している農家さんも多くいらっしゃいます。そうした農家さんのおいしいサツマイモを焼き芋にして地元の人に届けたいー。
そんな地産地消の思いから焼き芋店を始めただけに、初志貫徹。
遠方からお芋を仕入れる道もありましたが、あえて地元のお芋が穫れる8月まで休業し、秋から再開する道を選びました。
これは今季最終日を終えた時の写真。
わずか2か月の営業にもかかわらず、「しばらくお店に来れないのは寂しいけど、秋の再開を待ってますね」と多くの方から声をかけてもらい、感無量の一日となりました。
焼き芋の皮は食べていいんです!
2か月の店舗運営の中で、いくつも気づきがありました。
まず一つ目は、焼き芋の皮を食べない人が多かったこと。
私は元々、キャラメリゼ状になったパリパリッとした皮が好きなこともあり、皮ごと焼き芋を頬張る派。サツマイモ農家の方からも「皮の部分に甘みと栄養分が詰まってるから、皮ごと食べた方がいいですよ」と聞いてきたこともあり、焼き芋は皮ごと食べるのが当たり前だと思っていました。
ところが、「いつも皮はむいて食べてます」とか「そもそも皮って食べていいんですか?」と聞かれることが度々。
そのたびに「皮ごと食べていいんです。というより、皮も食べた方が食物繊維もたっぷり取れるのでいいんですよ」とアドバイス。「皮も食べなきゃ、もったいないです!」と伝えてきました。
しっとり蜜々芋が主流の時代
そしてもう一つの気づきは、皮がパリッとした焼き芋より、皮まで蜜が滲み出ているしっとり蜜々芋の方が人気だということ。
そう!これが皮にまで焼き芋内部の蜜が滲み出し、艶やかな輝きを放つ、しっとり蜜々芋。
焼き芋の蜜を内部に閉じ込めておくのか、皮に蜜を滲み出させて目に見える形にするかの違いなので、焼き芋の相対的な甘さは同じなんですが、艶やかな蜜が食欲をそそられるんでしょうね。
何度も通ってくださるリピーターの方の好みを聞くと、しっとり蜜々芋を好む人が多い傾向にありました。
もちろん、私と同じように「皮がパリッとしている方が好き」という人、そもそも皮が苦手だからむきやすいパリパリ皮の方がいい、という人もいることも分かったので、どちらのタイプも商品として準備できるのが理想のよう。
秋の本格シーズンまで半年。この間に各地の焼き芋の食べ比べをしながら、焼き芋の味を深めていこうと思います。
さて、皆さんの焼き芋の好みはパリッと派、しっとり派、どちらですか?